瑕疵担保責任って何?
瑕疵担保責任とは?
「瑕疵」というのは「キズ」ですよね。ですから「瑕疵担保」といえば「キズの保証」ですからキズがあったら直しなさいという意味になります。難しく言えば「目的物に瑕疵があった場合に、その瑕疵を修補したり、賠償金の支払いなどをしなければならない責任の事。」となります。
この瑕疵担保責任について「新築住宅の取得契約(請負・売買)において基本構造部分の瑕疵担保責任(修補請求権等)を一〇年間義務付ける。」としたのが平成十二年施行の「住宅の品質確保の促進等に関する法律」です。
さて、これで欠陥住宅はなくなったのでしょうか?
住宅の基本構造部分とは?
@構造駆体の部分(構造耐力上主要な部分)
基礎、基礎杭、壁、柱、小屋柱、土台、筋交い等の斜材、床版、屋根版、梁・桁等の横架材で、住宅の荷重や地震動などによる外力に耐える部分。
A雨水の浸入を防止する部分。
これが一〇年間の瑕疵担保責任の対象となる部分です。
それでは軟弱地盤の上に建った家はどうなるのでしょうか?
●地盤の扱い
「住宅の地盤は、基本構造部分には含まれないが、住宅の設計、施工を行なう場合には、その前提となる地盤の状況を適切に調査した上で調査結果に対応した基礎の設計、施工を行なう義務がある。
例えば、地盤が軟弱であるにも拘わらず、地盤の状況を配慮しない基礎を設計、施工したために不同沈下が生じたような場合には、基礎の瑕疵として本法の対象となる。」ということのようです。
それでは、これら住宅の主要構造部分以外のものについてはどうかといえば、それは一〇年保証の対象外ということになります。
二階で歩く音がどんどんと響きうるさくてたまらなくても、気密性や断熱性が悪く、エアコンをかけても効かず、夏暑くてたまらない家、冬寒くてたまらない家も、保証の対象外という事です。
したがいまして、これらの点については、住宅の性能に拘わってきますので、設備・仕様についてのある程度の知識を持っていないとあとで泣きをみることになりそうです。
クロス、床材などの内装材やドア等の建具、住宅設備機器は、これまでどおり個々の契約に従って決まりますので、契約の前に保証書の雛型などを業者に見せてもらったほうが無難でしょう。
●雨漏り、シロアリは?
雨漏りがしたからといって全て即保証というわけではありません。
屋根、外壁等の雨水にさらされる部分について、工事、駆体に瑕疵がある部分が保証されるわけですので、台風で、異常に横殴りの雨が降って、雨漏りが少ししたからといって「欠陥住宅だ。屋根を全部やりかえろ!」というわけにはいきませんが、大雨がふるたびに雨漏りがするのは、何か瑕疵がありそうです。
シロアリについては見落としやすいので注意が必要です。
シロアリに構造駆体の土台を食い荒されてその用をなさなくなったとき、それを瑕疵として保証を求めるのは骨が折れそうです。
その駆体の中にシロアリがいたのなら当然のことなのですが、業者に言わせると「地上1メートルまでは、防腐、防蟻処理をしてあるので、そのシロアリは土壌の中から出てきたものだから保証できない。」なんて言いますし、「防蟻処理してあってなんでシロアリが土台を食べるんだ。」と言っても、「うちの会社の保証書を見てください。シロアリについての保証はありません。」なんてことを言われてしまいます。
売主や施工業者のシロアリについての瑕疵担保責任も個々の契約によって違いますので必ず確認してください。
あるハウスメーカーは、土壌駆除消毒をしないで独自の防蟻シートを使用して一〇年保証をしていますし、またあるハウスメーカーは土壌駆除を前提に、シロアリ駆除業者の保証書および保険をかけてその被害額の上限を定めて(私が見たのは三百万円)保証しているところもあるようです。
当然、全く保証していない工務店もあります。多いのは、シロアリ駆除業者の保証書を渡してるケースですが、その内容は「五年間保証。施工完了後シロアリの出没又は発生については、すみやかに調査し、保証期間は無料施工を行ないます」という内容で被害額については保証しておりません。
ということはシロアリに食べられてしまった土台の修理はどうなるのでしょう。
工務店やハウスメーカーで保証項目になっていなければユーザー負担になってしまいます。
こうしてみると、「品確法」で定められた住宅の基本構造部分の一〇年保証というのは、最低限の保証であって、細かな瑕疵については保証していない事がおわかりいただけるのではないでしょうか?
したがって、細かな瑕疵の部分が重なり、ユーザーが「欠陥住宅」ではないかと思ってしまうトラブルはなくなりそうは有りません。
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