生命保険は、人の生死に対して、あらかじめ決められた額が保険金として支払われる保険ですが、
損害保険は、偶然の事故によって生じた損害に対して、損害額に応じて保険金が支払われる保険といえます。
※ 時代の変遷とともに、上記の分類どおりに明確には区分できない第三分野の保険も出てきています。
特徴 | 1: | 満期返戻金と契約者配当金(※)が支払われる | ※積立期間中の積立部分の保険料の運用利回りが予定利率を上回った場合 | |
2: | 保険期間が3年〜終身まで、長期であり、補償も長期にわたる |
リスク 分類 |
人 | 財産 | 自動車 | 賠償責任 | 利益費用 |
リスク 対象 |
本人・家族 | 住宅・家財・ その他の財産 |
自動車・第三者 | 第三者 | 収入 |
リスクの種類 | 日常生活中のケガや交通事故など | 火災・爆発・地震・盗難など | 自動車事故による賠償事故 | 日常生活における賠償事故 | ケガや病気による収入減や、費用増 |
保険 |
など |
など |
など |
など |
など |
リスク 分類 |
人 | 財産 | 自動車 | 賠償責任 | 利益費用 |
リスク 対象 |
役員・従業員・家族 | 建物・設備・ 什器備品・商品など |
自動車・第三者 | 第三者 | 収益 |
リスクの種類 | 労災事故・交通事故等の傷害事故 | 火災・爆発・地震・盗難など | 自動車事故による賠償事故 | 施設や営業活動の管理不備によるおける賠償事故 | 営業利益の損失・取引先の債務不履行による損失など |
保険 |
など |
など |
など |
など |
など |
一部保険 | 保険金額が保険価額に満たない場合をいう。保険金の支払いは比例填補となる |
契約者 | 生命保険の場合と同じ。保険会社と契約を結び、契約上の一切の権利と義務(保険料支払い義務など)を持つ人 |
再調達価額 | 事故等によって失われた保険の目的と同等の物を、新たに調達(建築・購入)するのに必要な金額のこと |
時価額 | 再調達価額から使用による消耗分を控除して算出した金額のこと |
実損填補(実損払い) | 損害が生じたとき、実際の損害額の全額(保険金額限度)を保険金として支払うこと |
全部保険 | 保険金額と保険価額が同額の場合。実損填補となる |
超過保険 | 保険金額が保険価額を超える場合。その超過する部分については保険契約は無効となる |
填補(てんぽ) | 損害に対して保険会社が保険金を支払うこと |
被保険者 | 損害発生時に保険の補償を受けられる人、または保険の対象となる人。契約者と同じとは限らない |
被保険利益 | 保険事故によって被保険者が損害を被る恐れのある利益のこと。金銭に見積もることのできる財産的利益でなければならない |
比例填補(比例払い) | 損害が生じたとき、保険金額が保険価額に不足している場合に、その不足する割合に応じて保険金を削減して支払うこ |
保険価額 | 保険を付ける物の価額(評価額)のこと。通常は時価額 |
保険期間 | 保険会社が責任を負う期間 |
保険金 | 損害が発生した時に保険会社が被保険者に支払うお金のこと |
保険の目的 | 保険契約の対象となるもの(例:建物・家財・自動車など) |
保険料 | 契約者が保険会社に払い込むお金のこと |
1.保険料と税金
損害保険料控除 | 損害保険料を支払うと、その支払い保険料に応じて、一定の額がその年の契約者(保険料負担者)の所得から控除されます。 その分課税所得が少なくなり、]所得税と住民税が軽減されます。 |
対象となる契約・・・「本人、または本人と生計を一にする配偶者その他の親族」の「所有する常時居住用の家屋、生活用動産」、または「障害」、もしくは「障害または疾病による医療費」が保険の目的となっている損害保険契約
※ 自動車保険、賠償責任保険、費用保険は控除対象にはなりません
対象となる保険料・・・その年の1月1日から12月31日までに払い込まれた保険料で、その年に受領した返戻金などを差し引いた金額
控除される金額・・・所得税と住民税で異なります。まとめると、以下の表のようになります。
所得税 | 住民税 | |||||
年間の払込保険料 | 控除額 | 年間の払込保険料 | 控除額 | |||
長期契約 | 10,000円以下 | 払込保険料全額 | 長期契約 | 5,000円以下 | 払込保険料全額 | |
10,000円超 20,000円以下 |
払込保険料×1/2 +5,000円 |
5,000円超 15,000円以下 |
払込保険料×1/2 +2,500円 |
|||
20,000円超 | 一律15,000円 | 15,000円超 | 一律10,000円 | |||
短期契約 | 2,000円以下 | 払込保険料全額 | 短期契約 | 1,000円以下 | 払込保険料全額 | |
2,000円超 4,000円以下 |
払込保険料×1/2 +1,000円 |
1,000円超 3,000円以下 |
払込保険料×1/2 +500円 |
|||
4,000円超 | 一律3,000円 | 3,000円超 | 一律2,000円 | |||
長期契約と短期契約の両方がある場合 | それぞれについて計算した控除額の合計額 ただし15,000円が限度 |
長期契約と短期契約の両方がある場合 | それぞれについて計算した控除額の合計額 ただし10,000円が限度 |
注)ここでの「長期契約」とは保険期間が10年以上で満期返戻金が支払われる損害保険契約をいい、「短期契約」とはそれ以外の損害保険契約をいいます。
2.保険金と税金
損害保険の保険金のうち、一部のものについては、補償の性格から非課税とされています。
傷害保険 | 傷害保険金 | 傷害のときは非課税 死亡のときは保険料負担者・被保険者・受取人の関係によって相続税・所得税・贈与税が課税される |
自動車保険 | 搭乗者傷害保険金 | |
自損事故保険金 | ||
無保険者障害保険金 | 非課税傷害の時は非課税、死亡のときは贈与税 | |
車両保険金 | ||
火災保険傷害保険 | 火災保険金 |
3.満期返戻金と税金
基本的には一時所得となる。
保険期間が5年以下(※)の一時払保険で、保険金額が満期返戻金の5倍に満たない場合についてのみ、20%源泉分離課税される。
※ 5年超の契約を5年以内で解約する場合も含む