団塊ジュニアが「欠陥住宅をつかまないポイント!」

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住宅購入者向けマガジン 団塊ジュニアが『欠陥住宅をつかまないポイント!』
 
 作者:ファイナンシャルプランナー 小茂田 勝信  03/4/24 NO.7
       
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団塊ジュニアが『欠陥住宅をつかまないポイント!』   第7回


■今回は第7回目です。(「業者選び〜その1」)

 前回は、「コストダウン住宅」についてお話しました。

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 トラブルの防止には、その会社の建物の工法、仕様、設備、基本工事、オプ

ション工事について十分な説明を受けること。住宅展示場やモデルハウスだけ

でなく工事途中の現場や、完成現場を確認すること。値段が安い場合は、自分

が納得できるまでコストダウンができた理由を尋ねること。その会社の経営方

針を知るためにも会社の責任者に会ってどんな家を造るのか聞いてみるのも良

いでしょう。

 ただ、あんまり安いのは、やはりリスクのあることだという認識は持ってく

ださい。建築業界は「クレーム産業」と言われていることを申し上げておきま

す。注文住宅、未完成分譲住宅、建築条件付土地の建物請負契約は、目に見え

ないものを買うわけですので、価格だけに目を奪われますと、欠陥住宅の落と

し穴に入る可能性があります。完成分譲住宅で、もう目に見えているはずなの

にそれなのに隠れて見えない躯体の欠陥に気がつかず欠陥住宅を購入してしま

うこともあるわけですから。

 が前回の内容です。

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 これより、本文。

第3のポイント  業者選び

 マイホームを購入するのは、不動産業者であったり、ハウスメーカーであっ

たり、工務店であったりします。土地の取得からの場合は、エリアが限定され

ていることがあったりしますので、どうしても業者選びの選択肢が限られてし

まいます。土地は気に入っているけれども建物が心配という話をよく聞きます。

土地だけ購入して好きなハウスメーカーで建てたいと思っても、建築条件付で

それがかなわないといったケースです。

 今の時代、ハウスメーカーや工務店も、新築住宅の仕事を取るのが大変な時

代ですので、いい土地を仕入れて建築条件付土地の販売で仕事を取ろうとして

おりますし、不動産業者も土地だけ販売してうんと利益を出せる時代ではあり

ませんので、土地の利益だけでは会社が維持できないから建物でも利益を出そ

うとして建築条件付にするわけです。土地に魅力と価格競争力があればこれで

建物の仕事が取れるわけです。ただしこの場合、売主のもくろみが外れて思う

ように土地でお客を引っ張ることができない場合は土地だけで販売することも

あります。ハウスメーカー、工務店、不動産業者が土地を購入する場合は、大

体60坪以上の大きい土地購入してそれを造成し、一区画30坪位にして分譲

するわけです。この30坪という広さは、住宅金融公庫から融資を受けて住宅

を建設する場合の最低敷地面積(正式には100平米)からきております。そ

して、土地を買ってマイホームを建てようとする方も、公庫融資を使いたいが

為にこの30坪(100平米)ちょっとの土地を探すわけです。それで土地を

購入しようとすると、ハウスメーカーや工務店、不動産業者が売主の土地にな

ってしまうわけです。

 40坪や50坪の土地であれば、一般の人が不動産会社に仲介で売りに出し

ている土地が多いので建築条件付でないことが多いです。建築条件付というの

は、業者が売主又は販売代理のときしかできないと宅地建物取引業法で規定さ

れておりますので、業者の所有でない仲介の土地を買えば好きなハウスメーカ

ー、工務店で建物が建てられるわけです。

【*:建築条件付とは、土地の分譲で、業者(不動産業者、宅地建物取引業の

免許を持っている者)が、売主又は売主代理の時に、土地売買契約後、3ヶ月

以内に建物の請負契約の締結を買主に求めるもので、建物の請負契約が締結で

きない時は、土地の売買契約も白紙(なかったことにする。)とするもの。】

 しかしながら、40坪、50坪の土地を購入となると土地代金が高くなるわ

けですから、土地建物のマイホームの総予算が上がってしまいます。初めてマ

イホームを購入する方は、ローンの返済を月々の家賃並に考えていらっしゃる

方が多いわけですから土地が広いと資金計画が狂ってしまいますので、やはり、

30坪の土地の購入ということになります。それで、パクリと業者に食べられ

てしまうわけです。
 
「だったら、30坪以下の土地を探せばいいじゃないか。土地の値段も安く

なるし、今の時代、住宅金融公庫の融資を使わなくても銀行の融資でもかえっ

て金利が安いこともある。」ご正解です。

「おっしゃる通りです。しかしながら、25坪位の土地は、総額が低いという

こともあって、初めてのマイホームの方には買いやすいので売りに出てもすぐ

に決まってしまって中々探せません。また売り物の絶対量が少ないのです。

25坪位というのは広い土地を持っている人がお金が必要で庭先を売るか、

25年、30年以上前の昔の建売分譲地の中しかありません。」と言うのが現

役不動産業者の返答です。

 したがって、ユーザーが希望する30坪位の土地は、圧倒的に業者持ちが多

いということです。また、「いい土地だなあ。」と思う土地ほど建築条件が外

れません。あとはうんと利益を乗せた高い土地です。

 もう一つの土地と建物購入のパターンとして建売分譲住宅購入があります。

これは基本的には、完成した住宅をその土地と共に一緒に購入するパターンです。

できた建物を購入するわけですから、変更工事は一切できません。したがって、

できた建物に自分達のライフスタイルを合わせていくしかありません。

 最近の建売分譲住宅の専門業者(デベロッパー)はすごいですよ。

 土地を仕入れたら、すぐ私道を造ったりの造成工事をやってしまい、6区画、

8区画の建物の工事も即同時着工。この同時着工、同時完成でコストダウンを

計り、土地仕入れから6ヶ月を目標に売り切るというデベロッパーが出てきて

います。これは工期も早いです。びっくりするくらいです。そして売り出し価

格もビックリするくらい安かったりするわけです。これらの分譲住宅は、完成

1ヶ月前くらいから土、日毎に売り出しします。宅地建物業法では、建築確認

が取れれば、未完成の建物付土地の売買契約が可能ですので、現実的にはその

6区画、8区画のどこを購入するかは早い者勝ちです。 ですから人気の高い

東南の角地や西南の角地などは着工と同時にもう決まってしまったなんてこと

もあります。
 
このように、土地と建物の同時取得の場合は、業者選びと言っても土地がう

んと気に入ってしまうと業者選択の余地が無いですね。

 土地がうんと気に入った場合は、その分譲会社を調査、研究をするしかあり

ません。そして、申込したら、十分打合せの時間を取り、工法、仕様、設備の

説明を受けてください。また、必ず工事途中の現場や完成現場を案内してもら

ってください。営業が案内してくれなくても場所を聞いて確認してください。

ホームページで他の工事途中や完成の現場を見つけることもできます。会社の

評判も大事です。「土地は早い者順ですから早く契約してください。」と必ず

せかされます。十分な説明なしで契約をせかされるときは要注意です。

 よく考えてみてください。土地と建物で契約するわけですから、建物の値段

は総額の3割から5割はあるのです。これは大きなウエイトですので建物のチ

ェックはおろそかにできません。住んでから後悔しても、保証されているのは、

住宅の基本構造部分と、住宅設備機器メーカーの保証だけです。何度も申し上

げるように、会社によって建物の工法、設備、仕様は異なりますし、基本工事

もオプション工事も異なります。
 
 それでは、今回はここまでです。建築条件付土地の購入でのマイホーム取得と

分譲住宅の購入の違いについてご理解頂けましたでしょうか?

次号は、「業者選びについて〜その2」についてお話します。

つたない文章に最後までお付き合い頂き有難う御座いました。また、木曜日に

お届け致します。

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【発行者】有限会社こもだ建物 取締役 小茂田 勝信
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【編集後記】

◆先日、大学時代のOB会に参加し、このところよく簡易査定を依頼してくれ
る弁護士と話をしましたら「簡易査定あの金額で大丈夫?」と聞かれました。
なんでも簡易査定の金額は、破産の手続きの際、裁判所で認めてくれる経費と
のことで、こちらとしては同級生なので随分遠慮して請求したのですが、その
必要はなかったようでした。失敗・・・・
相変わらず破産の話は多いようで、まだまだ不況は続くのでしょうか?
弁護士は忙しいようです。