団塊ジュニアが「欠陥住宅をつかまないポイント!」

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住宅購入者向けマガジン 団塊ジュニアが『欠陥住宅をつかまないポイント!』
 
 作者:ファイナンシャルプランナー 小茂田 勝信  03/4/17 NO.6
       
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団塊ジュニアが『欠陥住宅をつかまないポイント!』   第6回


■今回は第6回目です。(「コストダウン住宅って本当?〜その2」)

 前回は、「コストダウン住宅」についてお話しました。

バックナンバーは、こちらでご確認下さい。

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 価格は、何がついていて、何がついていないかによっても変わるもので

すし、当然のことながら、仕様、設備のグレードによって違ってくるもの

です。

 どの住宅会社、不動産会社も、基本の工法、設備、仕様はまちまちであると

いう事を認識しておく必要が有ります。

 基本の工法、設備、仕様が違うということは、住宅性能もみな違うという事

です。

 値段が違えば住宅性能は変わります。本当は当たり前の事ですが、どの会社

も、「うちの会社は価格は安いですけど、騒音についてはいまいちです。」な

んて言いませんよね。言われないからどこも同じに思ってしまうわけです。

 せっかく手にしたマイホーム、引越ししたら毎日の生活が苦痛だったなんて

ことになったら、泣くに泣けません。

 ですから、あまり低い価格設定をしている商品については十分な説明を受け、

その価格が実現できた理由が納得できなければ避けるべきです。いくらデフレ

でモノが安くなったとしても、安くなったのは、大量発注やメーカー直接購入

による住宅設備機器代、輸入材木代や輸入建具代(仕上げ等日本人の感性で納

得できないものもありますので要注意)です。職人さんの手間賃はそんなに下

がっていません。手間賃がうんと安いと、熟練工でなく手元見習みたいな人が

現場に来るようになります。よく「手間(人件費)が1番高い」という言葉を

耳にしますよね。手間を削ると手抜きになるわけです。 プレハブハウスメー

カーで、「これは企画(規格)住宅で、工場で70%造ってきてしまうのでこ

の価格が実現できました。ですからプランの変更や内装材の変更はお許し下さ

い。」と言われればそれなりに納得できますが、不動産屋や工務店に「建売で

すからこの値段です。」なんて言われてしまうと「建売ですから手を抜いて造

ります。」と言われているのと同じ事になります。
 
 が前回の内容です。

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 これより、本文。

 それでは、住宅展示場はどうでしょうか?ここにも色々問題があります。

「この家は、いくらでできるのですか?」と尋ねますと、「これは、展示場で

すので坪60万円かけて造っています。一般的にご注文頂く方は、坪50万か

ら55万円くらいです。」なんて嘘を言います。展示場は、営業マンの説明よ

り坪1〇万円くらい多くお金をかけて造っています。仕上げ材や設備品に特注

品を使い見栄えがするように造っているわけです。安く言っても、すっかり同

じに建てる人もいませんので10万位さばよんで説明しているわけです。たま

に似た感じで建てるお客様もいるわけですが、特注品を似た既製品にして見積

します。それでも少しおっつかないので「お客様のプランは、展示場より少し

床面積が小さいので、ちょっと坪単価が割高になりました。」ということにな

ります。今の展示場は50から60坪位の家ばかりですので、30坪くらいの

家を建てようと思っている人には参考になりません。

 家は、大きくなればなるほど、空間が広がれば広がるほど坪単価は安くなり

ます。似たプラン(間取り)で30坪と40坪の家を比較してみてください。

設備(台所、浴室、洗面所、トイレ等)の数は同じですよね。柱や梁の数もそ

んなに沢山増えた感じはしませんでしょう?

 ユーザーは、このように展示場でも、坪価70万の家を60万と嘘つかれな

がらイメージするものですから、30坪、坪50万の自分の家のイメージが、

家の大きさが全然違っても段々同化してきてしまいます。まして、営業マンに

おいしいこと言われて、坪45万で家の契約をしても、イメージはそのままで

すので契約の後の設計打合せ(仕様、設備の確認打合せ)でその落差に気がつ

きもめます。着工して現場が進んでから気がついてもめる人もいます。ユーザ

ーは催眠術にかけられ舞い上がっていますが、業者側はあくまでも坪45万の

家と思っていますので「こんな値段で、そこまでできるわけないだろ。」とト

ラブルになります。

 ですから、住宅展示場だけ見て契約するのでなく、自分の建てる坪数にあっ

た工事途中の現場や完成現場を案内してもらったほうが良いでしょう。

 トラブルの防止には、その会社の建物の工法、仕様、設備、基本工事、オプ

ション工事について十分な説明を受けること。住宅展示場やモデルハウスだけ

でなく工事途中の現場や、完成現場を確認すること。値段が安い場合は、自分

が納得できるまでコストダウンができた理由を尋ねること。その会社の経営方

針を知るためにも会社の責任者に会ってどんな家を造るのか聞いてみるのも良

いでしょう。

 ただ、あんまり安いのは、やはりリスクのあることだという認識は持ってく

ださい。建築業界は「クレーム産業」と言われていることを申し上げておきま

す。注文住宅、未完成分譲住宅、建築条件付土地の建物請負契約は、目に見え

ないものを買うわけですので、価格だけに目を奪われますと、欠陥住宅の落と

し穴に入る可能性があります。完成分譲住宅で、もう目に見えているはずなの

にそれなのに隠れて見えない躯体の欠陥に気がつかず欠陥住宅を購入してしま

うこともあるわけですから。

 それでは、今回はここまでです。次号は、「業者選びについて」お話します。

つたない文章に最後までお付き合い頂き有難う御座いました。また、木曜日に

お届け致します。

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【発行者】有限会社こもだ建物 取締役 小茂田 勝信
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【編集後記】

◆最近は、リフォームのお話をよく頂きます。これも価格だけにとらわれると
失敗しますよね。工事の範囲、材料の質で全然値段が違いますから。
 今日は、行政書士の仕事で、飲食店の営業からナイトラウンジ(バー)の営
業に切り替えたいということで「風俗営業許可(2号)」の申請を警察署に届
け(審査・許可は県の公安委員会)てきましたが、協会で購入した様式書以外
に沢山の書類・書式の提出を求められ、やっと受付けてもらいました。これで
は、店のオーナーが本人申請するのは大変ですね。私も一苦労でした。
 建設業・不動産業も許可営業ですので、県庁へ行くとその会社の概要を調べ
ることができます。特に建設業は、毎年、県の建設課に営業報告書を出してい
ますので、売上高ですとか、決算状況まで調べられます。今は、バブル後遺症
で赤字会社が多いので、赤字会社だから発注や購入を取りやめようと言うのは
早計です。そしたら、ゼネコン、ハウスメーカーもほぼ全滅になってしまいま
すので。ただ、会社の規模(売上)に比べて、赤字が異常に多いのはやはり注
意が必要かもしれません。