団塊ジュニアが「欠陥住宅をつかまないポイント!」

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住宅購入者向けマガジン 団塊ジュニアが『欠陥住宅をつかまないポイント!』
 
 作者:ファイナンシャルプランナー 小茂田 勝信  03/4/10  NO.5
       
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団塊ジュニアが『欠陥住宅をつかまないポイント!』   第5回


■今回は第5回目です。(「コストダウン住宅って本当?」)

前回は、「瑕疵担保責任」についてお話しました。

バックナンバーは、こちらでご確認下さい。

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第1のポイント 「瑕疵担保責任」って何?

 瑕疵担保責任とは?

 「瑕疵」というのは「キズ」ですよね。ですから「瑕疵担保」といえば「キ

ズの保証」ですからキズがあったら直しなさいという意味になります。難しく

言えば「目的物に瑕疵があった場合に、その瑕疵を修補したり、賠償金の支払

いなどをしなければならない責任の事。」となります。

 この瑕疵担保責任について「新築住宅の取得契約(請負・売買)において基

本構造部分の瑕疵担保責任(修補請求権等)を10年間義務付ける。」とした

のが平成12年施行の「住宅の品質確保の促進等に関する法律」です。

 さて、これで欠陥住宅はなくなったのでしょうか?

 住宅の基本構造部分とは?

1.構造駆体の部分(構造耐力上主要な部分)

基礎、基礎杭、壁、柱、小屋柱、土台、筋交い等の斜材、床版、屋根版、梁・

桁等の横架材で、住宅の荷重や地震動などによる外力に耐える部分。

2.雨水の浸入を防止する部分。

これが10年間の瑕疵担保責任の対象となる部分です。

 それでは、これら住宅の主要構造部分以外のものについてはどうかといえば、

それは10年保証の対象外ということになります。

 こうしてみると、「品確法」で定められた住宅の基本構造部分の10年保証

というのは、最低限の保証であって、細かな瑕疵については保証していない事

がおわかりいただけるのではないでしょうか?

 したがって、細かな瑕疵の部分が重なり、ユーザーが「欠陥住宅」ではない

かと思ってしまうトラブルはなくなりそうは有りません。
 
 が前回の内容です。

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これより、本文

第2のポイント 「コストダウン住宅って本当?」

 マイホーム決定の重要な要素に価格があります。

 この価格がなかなか納得いかないことが多いですよね。完成分譲住宅のよう

に出来上がってしまっているものを購入するときは、現状あるもの、ついてい

るものでいくらということになりますので、価格でもめることは少ないかもし

れません。(しかし、この場合構造駆体は確認のしようがありませんので、会

社を信用するか、工事中の他の現場を見て確認するしかありません。)

 しかしながら、注文住宅や未完成分譲住宅、建築条件付土地の建物請負契約

などは、よく「ついてる。ついてない。」「標準だ。オプションだ。」ともめ

ることが多いようです。これらのトラブルは目に見えないものを買うわけです

から、当然といえば当然です。

 買う方(又は注文者、以後ユーザーという)からすれば、どんなに価格を安

くして発注したとしても、「あれもこれもついてるはずだ。」と思うのが人情

ですし、業者の方は「こんな値段でついてるはずないだろ!」という事でもめ

るわけです。ちょっとした具体例をあげれば、アミドがない、雨戸がない、物

干し金物がない、バルコニーの手すり棒付アルミ笠木がない、階段手摺がない、

クーラーコンセントが各室にない、テレビ端子が各室にない、電子レンジ用コ

ンセントがない、各室のコンセントが1(2)個しかない、照明器具が居室だ

けでなく玄関、水廻りもついていない、トイレに換気扇がない、テレビアンテ

ナがない、便器がウォッシュレット(ウォームレット)でない、屋根に雪止め

がついていないなどあげればキリがないほどです。

 ユーザーの方はついていて当たり前、業者の方は「その値段ではなくて当た

り前。」で、立場は全く逆です。

 このように、価格は、何がついていて、何がついていないかによっても変わ

るものですし、当然のことながら、仕様、設備のグレードによって違ってくる

ものです。

 どの住宅会社、不動産会社も、基本の工法、設備、仕様はまちまちであると

いう事を認識しておく必要が有ります。

 基本の工法、設備、仕様が違うということは、住宅性能もみな違うという事

です。

 屋内外の振動や騒音対策をどのように考えて、どのように対策を講じている

かを確認されるユーザーの方は非常に少ないです。

多分どこも大体同じだろうと思っているからですが、値段が違えば住宅性能は

変わります。本当は当たり前の事ですが、どの会社も、「うちの会社は価格は

安いですけど、騒音についてはいまいちです。」なんて言いませんよね。言わ

れないからどこも同じに思ってしまうわけです。

 せっかく手にしたマイホーム、引越ししたら毎日の生活が苦痛だったなんて

ことになったら、泣くに泣けません。

 シックハウス対策についても然り。

 相当以前からこの問題はあったのですが、コスト高になる事から見て見ぬ振

りをしてきた業者がどれほど多かった事でしょうか。

 新居の生活で、体調を壊したのではなんにもなりません。子供が病気にでも

なったら、それこそ業者を殺したくなってしまいます。

 クロス仕上げの接着剤、フローリングの合板、建具の表面材や塗装材、内外

の塗料などきちんと確認をした方がよいと思います。

 単に価格が安いという事は、基本を甘く設定していると判断すべきです。住

宅は、沢山の人達が造ってゆくものです。基礎屋さん、材木屋さん、大工さん、

瓦屋さん、建具屋さん、設備屋さん、水道業者、ガス業者、クロス屋さん、床

屋さん、左官屋さん、サイディング屋さん、板金屋さん、ペンキ屋さん、電気

屋さん等枚挙に事欠きません。

 一人の大工さんが家を全部造るわけではありませんので、もし、無理な価格

設定で、こういった協力業者にしわ寄せがいったとしたらどうでしょう?もし、

あなたが職人さんで、手間もろくにでないとしたら、いい仕事をきちんとやろ

うと思いますか?どこか抜けるところは抜いて、赤字になるまいとしようとす

るのが人情ではないでしょうか?

 「欠陥住宅」で有名になったのは、「秋田県木造住宅」です。喉元過ぎれば

なんとかですが、これが「品確法」制定の動きにつながったのです。この「秋

田県木造住宅」も周辺の相場の住宅価格より、うんと安かったのです。安いけ

ど、出来はどこも変わらないと思ってしまった人が、今、辛い思いをしていま

す。裁判したり、諦めたり、不安を抱えたままの生活をしています。あなたは、

貧乏籤を引かない自信が有りますか?

 価格に無理があれば、腕のいい職人さんは仕事をしません。自分の作品に自

信が持てなくなるからです。言い換えれば、価格に無理があればいい住宅はで

きないということです。

 ですから、あまり低い価格設定をしている商品については十分な説明を受け、

その価格が実現できた理由が納得できなければ避けるべきです。いくらデフレ

でモノが安くなったとしても、安くなったのは、大量発注やメーカー直接購入

による住宅設備機器代、輸入材木代や輸入建具代(仕上げ等日本人の感性で納

得できないものもありますので要注意)です。職人さんの手間賃はそんなに下

がっていません。手間賃がうんと安いと、熟練工でなく手元見習みたいな人が

現場に来るようになります。よく「手間(人件費)が1番高い」という言葉を

耳にしますよね。手間を削ると手抜きになるわけです。 プレハブハウスメー

カーで、「これは企画(規格)住宅で、工場で70%造ってきてしまうのでこ

の価格が実現できました。ですからプランの変更や内装材の変更はお許し下さ

い。」と言われればそれなりに納得できますが、不動産屋や工務店に「建売で

すからこの値段です。」なんて言われてしまうと「建売ですから手を抜いて造

ります。」と言われているのと同じ事になります。

 それでは、住宅展示場はどうでしょうか?ここにも色々問題があります。

その辺のところは次号でお話します。それではお楽しみに!!

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【発行者】有限会社こもだ建物 取締役 小茂田 勝信
【職 業】ファイナンシャルプランナー
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【編集後記】

◆世の中、戦争中であまりいい話題がありませんね。1日も早く終結してもら
いたいものです。建設・不動産業界もとても活況とはいえません。(暇なの
はうちだけかもしれませんが?4日も休んで研修旅行しちゃいました。)
しかし、さすが3月の年度末は、ハウスメーカーは、1月、2月の倍の棟数
を販売したようです。(埼玉エリアの某メーカーの話ですけど)
うちも頑張らねば!あと、弁護士からの不動産の簡易査定の依頼が多いのは
やはり、倒産とか破産とかが多いからでしょうかね。