団塊ジュニアが「欠陥住宅をつかまないポイント!」

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住宅購入者向けマガジン 団塊ジュニアが『欠陥住宅をつかまないポイント!』
 
 作者:ファイナンシャルプランナー 小茂田 勝信  03/4/03  NO.4
       
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団塊ジュニアが『欠陥住宅をつかまないポイント!』   第4回


■今回は第4回目です。(「瑕疵担保責任〜その2」)

前回は、「瑕疵担保責任」についてお話しました。

バックナンバーは、こちらでご確認下さい。

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第1のポイント 「瑕疵担保責任」って何?

 瑕疵担保責任とは?

 「瑕疵」というのは「キズ」ですよね。ですから「瑕疵担保」といえば「キ

ズの保証」ですからキズがあったら直しなさいという意味になります。難しく

言えば「目的物に瑕疵があった場合に、その瑕疵を修補したり、賠償金の支払

いなどをしなければならない責任の事。」となります。

 この瑕疵担保責任について「新築住宅の取得契約(請負・売買)において基

本構造部分の瑕疵担保責任(修補請求権等)を10年間義務付ける。」とした

のが平成12年施行の「住宅の品質確保の促進等に関する法律」です。

 さて、これで欠陥住宅はなくなったのでしょうか?

 住宅の基本構造部分とは?

1.構造駆体の部分(構造耐力上主要な部分)

基礎、基礎杭、壁、柱、小屋柱、土台、筋交い等の斜材、床版、屋根版、梁・

桁等の横架材で、住宅の荷重や地震動などによる外力に耐える部分。

2.雨水の浸入を防止する部分。

これが10年間の瑕疵担保責任の対象となる部分です。

 それでは軟弱地盤の上に建った家はどうなるのでしょうか?
 (軟弱地盤では、家が傾いてしまうことがあります。)

●地盤の扱い

「住宅の地盤は、基本構造部分には含まれないが、住宅の設計、施工を行なう

場合には、その前提となる地盤の状況を適切に調査した上で調査結果に対応し

た基礎の設計、施工を行なう義務がある。

例えば、地盤が軟弱であるにも拘わらず、地盤の状況を配慮しない基礎を設計、

施工したために不同沈下が生じたような場合には、基礎の瑕疵として本法の対

象となる。」ということのようです。

 それでは、これら住宅の主要構造部分以外のものについてはどうかといえば、

それは10年保証の対象外ということになります。

 二階で歩く音がどんどんと響きうるさくてたまらなくても、気密性や断熱性

が悪く、エアコンをかけても効かず、夏暑くてたまらない家、冬寒くてたまら

ない家も、10年保証の対象外という事です。

 したがいまして、これらの点については、住宅の性能に拘わってきますので、

設備・仕様についてのある程度の知識を持っていないとあとで泣きをみること

になりそうです。

 クロス、床材などの内装材やドア等の建具、住宅設備機器は、これまでどお

り個々の契約に従って決まりますので、契約の前に保証書の雛型などを業者に

見せてもらったほうが無難でしょう。

●雨漏り、シロアリは?

が前回の内容です。

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■ さて、それでは「雨漏り、シロアリ」についてお話します。

●雨漏り、シロアリは?

雨漏りがしたからといって全て即保証というわけではありません。

 屋根、外壁等の雨水にさらされる部分について、工事、駆体に瑕疵がある部

分が保証されるわけですので、台風で、異常に横殴りの雨が降って、雨漏りが

少ししたからといって「欠陥住宅だ。屋根を全部やりかえろ!」というわけに

はいきませんが、大雨がふるたびに雨漏りがするのは、何か瑕疵がありそうで

す。

 シロアリについては見落としやすいので注意が必要です。

 シロアリに構造駆体の土台を食い荒されてその用をなさなくなったとき、そ

れを瑕疵として保証を求めるのは骨が折れそうです。

 その駆体の中にシロアリがいたのなら当然のことなのですが、業者に言わせ

ると「地上1メートルまでは、防腐、防蟻処理をしてあるので、そのシロアリ

は土壌の中から出てきたものだから保証できない。」なんて言いますし、「防

蟻処理してあってなんでシロアリが土台を食べるんだ。」と言っても、「うち

の会社の保証書を見てください。シロアリについての保証はありません。」な

んてことを言われてしまいます。

 売主や施工業者のシロアリについての瑕疵担保責任も個々の契約によって違

いますので必ず確認してください。

 あるハウスメーカーは、土壌駆除消毒をしないで独自の防蟻シートを使用し

て一〇年保証をしていますし、またあるハウスメーカーは土壌駆除を前提に、

シロアリ駆除業者の保証書および保険をかけてその被害額の上限を定めて(私

が見たのは三百万円)保証しているところもあるようです。当然、全く保証し

ていない工務店もあります。多いのは、シロアリ駆除業者の保証書を渡してる

ケースですが、その内容は「五年間保証。施工完了後シロアリの出没又は発生

については、すみやかに調査し、保証期間は無料施工を行ないます」

という内容で被害額については保証しておりません。ということはシロアリに

食べられてしまった土台の修理はどうなるのでしょう。

工務店やハウスメーカーで保証項目になっていなければユーザー負担になって

しまいます。

 こうしてみると、「品確法」で定められた住宅の基本構造部分の一〇年保証

というのは、最低限の保証であって、細かな瑕疵については保証していない事

がおわかりいただけるのではないでしょうか?

 したがって、細かな瑕疵の部分が重なり、ユーザーが「欠陥住宅」ではない

かと思ってしまうトラブルはなくなりそうは有りません。


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【発行者】有限会社こもだ建物 取締役 小茂田 勝信
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【編集後記】

◆白アリは風通しが悪く、湿気の多い場所で繁殖します。光を好まず、土の中
の基礎部分にトンネルをつくり、床下を食い荒らします。発見されにくいのが
難点です。最近、白アリの被害が多く発生しております。築四年でもありまし
た。白アリ駆除業者の保証期間は5年ですし、ハウスメーカーの保証も長くて
10年です。低地で、湿気が多いと思われている方は一度チェックが必要です。
べた基礎(床下が土でなくコンクリートになっている)の家はまだ安心なので
すが、通常の布基礎(床下は土)の家は要注意です。