団塊ジュニアが「欠陥住宅をつかまないポイント!」

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住宅購入者向けマガジン 団塊ジュニアが『欠陥住宅をつかまないポイント!』
 
 作者:ファイナンシャルプランナー 小茂田 勝信  03/7/3 NO.17
       
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団塊ジュニアが『欠陥住宅をつかまないポイント!』   第17回


■今回は17回目です。

   (「第6のポイント「現場監督、現場管理者は誰ですか?〜その2」)

 前回の続編となります。今日もお付き合いください。


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 中々梅雨があけませんね。外の仕事が多いときはちょっと憎たらしくなり

ます。この時期、雨漏りの話もよく出てきます。特にビルの屋上の防水切れ。

もともと10年の保証なのですが、まめに防水工事をやる方は少ないようで

す。マンションで管理会社がしっかりしているところは、修繕計画書通りに

きちんとやっているようですが、あとは漏ってからという感じでしょうか?

この屋上の防水工事が中々厄介です。あとから取付けた大きな看板塔が排水

口を塞いでいたりして雨漏りの原因になっていることもあります。

皆さんこの時期、バルコニーの排水溝のお掃除はお忘れなく。

 
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 これより、本文。

 第6のポイント「現場監督、現場管理者は誰ですか?〜その2」
 
 
 職人に「この図面では現場が納まらないのですが、どうしたらいいでしょ

うか?」と聞かれ「図面がそうなっているんだから適当にやっといてよ。」

と言う人はいないでしょうか?

 の続きのお話です。

 結論から言えば、現実はこういう人がかなりたくさんいます。

特にハウスメーカーではかなり多くいます。それは若い監督が多くて現場の

経験がなく特殊な納まりについての知識が無いこと。それとハウスメーカーは、

繁忙期に監督が持つ現場の棟数が、能力を超えて持たされるからです。能力を

超えて持たされると、一件一件細かくチェックしてられないですよね。工程チ

ェックだけで精一杯です。ハウスメーカーには、検査課なんて人がいますが、

所詮同じ会社の人間ですし、同様にかなりの現場を見なければなりませんから

やはり目で見るでけが中心です。目で見て駄目なのはかなり駄目ですよね。前

にお話した「何ミリ違いますね。」なんて言うお客様にはお手上げです。検査

課の人の中には、それこそ神業と思えるように何ミリかの誤差を指摘するよう

な人もいるみたいですけどそれは本当に一部の人です。人間は弱い生き物です

から、その繁忙期の仕事振りが忙しくなくなったから変わるかといえば、変わ

らないです。

「やっと楽ができるようになった。」と仕事量が落ちても細かく現場をチェッ

クするかといえばしないものです。工程のチェックをして、現場を一通り見渡

して、工程管理票ににチェックマークを入れて帰るだけです。この現場監督に

現場をよく見てもらおうと思ったら、ユーザーの方もまめに現場を見て、「今

日、現場を見に行きましたら、基礎工事が大体終わっていたのですが、出てい

るアンカーボルトの位置がどうも違うように思うのですが?」などと電話をし

てみたらいかがでしょう?「分りました。明日確認に行ってみます」と返事を

してくれると思います。そして「この客はうるさそうだ。気をつけないとあと

で揉めるかも知れないな。」と思って、まめに現場に顔を出しチェックしてく

れるはずです。

 うるさい客だからまめに現場をチェックするというのは情けない話ですが、

ある程度大きい会社になれば、現場管理もマニュアル化されてていて、現場チ

ェックシートを適当に埋めていくだけです。

 これだけIT社会といわれるようになったのですから、現場管理シートもホ

ワイトボードに邸名を入れて、デジカメ写真添付でイントラネットで上司や設

計、営業、資金等会社の人すべてが工程進行が分るようにすればいいと思うの

ですが、まだあまり聞いたことがありません。

 地元の工務店はどうでしょうか?

 地元の工務店の現場監督は、よほど数をやっているところ以外はそれほど多

くの現場を持たされることはありませんので、工程チェックだけやっている現

場監督はいないと思います。また在来工法では、必ず現場で「納まり」の問題

が出てきますので、図面と現場を照らし合わせて問題処理をしなければ先に進

まないので、現場監督は大変です。ある意味現場の大工さんより腕がないとい

けない部分もあります。在来工法の組み立ては、マニュアルでなくて大工さん

の腕ですので、大工さんを技術的にも指導しなければならない部分もあるわけ

です。ですから、「監督」というよりは「親方」と言われる人が現場を持って

いることも多いです。昔、ハウスメーカーにいたとき、設計の人と現場に行き、

「展開図」と現場が違っていて「これはこういうふうに納めてよ。」と設計の

人が話をしたら「おれは組立屋で大工じゃないから、そこまでできないよ。」

と言われたことがあります。プレハブハウスメーカーだと組立はマニュアル化

されているわけで、現場は「昔ちゃんと修行した大工」である必要はないわけ

です。たまに内部造作で込み入った納まりを要求されるとこういう話になって

しまうわけです。ですから、プレハブハウスメーカーで現場で大工さんが組立

していますという話は、正確には組立工の人が組み立てていますということで

す。

 在来工法でさえ、今はプレカット(作業場で大工さんが自分でキザミをしな

いで、柱、梁など工場で刻まれたものが現場に搬入され組み立てること)です

から木目を見てキザミができる修行した大工さんは少ないのですから当然とい

えば当然です。

 話がそれてしまいましたが、そういう点で、在来工法の工務店の現場監督は

重要ですし、能力のある人でないと勤まりません。在来工法の工務店の現場監

督は、昔、「棟梁」とか「親方」と呼ばれたような人がやっているので現場を

任せて安心なのですが、元大工さんなので忙しい現場ができるとそこで大工に

なってしまい、他の現場が見られないなんてことが起こり得ます。大工で入っ

ているその現場はいいにしても、かけもっていた他の現場が心配になってしま

いますよね。又、経験が豊富なので、経験則で判断してしまい図面と現場の差

異と見落としてしまうなんてことがたまにあるやも知れません。

 ただし、だんだんこういう人はいなくなります。高齢化の問題です。神社仏

閣の宮大工の仕事以外、在来工法はプレハブハウスメーカーより安くなければ

仕事が取れないようになっています。在来工法でも、プレカットが当たり前に

なったように、在来工法もある程度マニュアル化されて修行した大工さんが建

てる一般住宅はなくなってきてしまいます。だって今の若い人が殴られながら

修行しますか?だんだん大工さんは、プレハブハウスメーカーのように組立工

になってしまいます。10年もすればそういう時代になってしまいます。逆に、

本当の大工さんに造ってもらえるのは今が最後かもしれませんね。

 今、リフォーム市場が活況を呈していますが、本当の大工さんがやっていま

すか?リフォームで躯体が絡むとキザミのできる経験豊富な大工さんでないと

できないはずなんですけどどうなんでしょう?

 内装工事なら全然問題ないですけど、壁を抜いて柱をとったり、梁を切った

りの仕事は難しいはずですよね。リフォームの苦情の問題はそいうところにあ

ると思うのですがいかがでしょう。リフォームも工事の内容で業者を選ばない

と大変なことになります。
 

ということで今日はここまでです。次号は、この続編です。

つたない文章に最後までお付き合い頂き有難う御座いました。また、木曜日

にお届け致します。



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【発行者】有限会社こもだ建物 取締役 小茂田 勝信
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【編集後記】

◆先ほど大手ハウスメーカーの営業の方とお話をさせて頂いてたのですが、
新聞紙上やテレビで広告されている建物の本体価格は、標準で坪価55万〜
60万とのこと。これに電気の引き込み、屋外給排水工事、小運搬などの別
途工事が120〜130万(基礎補強、地盤改良別)とのことですから、先
月私が売出しをやっていた建築条件付土地の販売での、建物の請負価格が坪
価50万(別途工事含む)と比べるとかなり値段が張ります。
したがって、建物の価格の差は300〜400万あるわけです。
この価格差の部分の、性能とか安心とかデザインとかをお客様に理解しても
らわないと売れないのだと思いますが、ハウスメーカーの中にいるとそれが
あたりまえで、段々お客様に理解してもらおうという努力を忘れてしまいま
す。お客様もその価格差を納得できれば当然購入するわけですが、きちんと
説明してもらわない理解できませんよね。「高いけど、いいですよ。」では
思いきれませんよね。「これだけいい点があって、ちょっと他より高いこの
お値段。これでしたら、ご納得できますでしょう?」でないと踏み切れませ
ん。売れる営業マンとそうでない営業マンの違いは、そこの説明をきちんと
しているかしていないかのような気がするのですがいかがでしょうか?