契約にはご用心。準備は本当に整いましたか?
家は、自動車や家電、コンピューターに比べたら、天と地、月とスッポンくらいの違いがあります。
片や最新鋭の技術を駆使し、マニュアル通りに精密な製品を作り出す工場で生産されるものと、片や一軒一軒違う条件の場所で何十人もの職人達が作り上げるものである家では、全然次元の違うものです。
工場で作るものと、人間が作るものではおのずから違うという認識が必要なのです。
以前、ハウスメーカーに勤めていた頃、お客様に建物を引き渡す際、天井高二、四メートルと図示されたものに対して、天井高をメージャーでは測り、「三ミリ足りません。なぜですか?」とクレームをつけたお客様がいらっしゃったという話を聞いたことがありますが、これは完全に「家を工場で作る」という見方ですね。
天井吊るのは大工さんですが、これで怒られたら「おれ、大工辞めるからおまえ作れ!」と言われてしまいそうです。
この方は、このハウスメーカーは天井まで工場で作って持ってくると思っていたのでしょうか?
だとしたら、これ、完全に営業マンの説明不足でしょうし、お客様も現場に来て、工程チェックをまったくしていなかったのでしょうか?
プレハブといわれるハウスメーカーはたくさんありますが、天井まで工場で作ってくるというのは、ユニット工法にあるだけでそれも数社です。
そのお客様も製造業の方でしたのでそういうチェックを日常されていたのかもしれません。
家に精度を求めるのであれば、工場生産率の高いプレハブユニット工法を選ぶべきで、それこそ職人さんの造る家を求めるべきではありませんよね。
何度も申し上げているように、会社によって家を建てる工法が違うわけですから、自分にあった工法を選ぶべきです。
しかしながら、このような引渡し時のチェックは重要です。
あなたは、天井高の誤差について何センチまでは許せますか?
何箇所か天井高を測って、みんな違った寸法だったとしたら安心できますか?
床も傾いているかも知れません。しかし、現実の建物の引渡しのとき、メージャーで天井を測ったり、床にゴルフボウルを置いてみたり、5円玉をぶら下げて垂直を測ったりというお客様は滅多にいません。
会社を、現場監督を信用しているからでしょうか?
しかし、現場監督で、竣工検査でゴルフボウル置いたり、5円玉をぶら下げてチェックしているのも見たことがありません。
検査は、見た目だけのようです。
見た目で悪いのって、かなり悪いやつですよね。
かなり悪いのしか検査で引っかからないのではないでしょうか?
ここに住宅業界のあいまいさがありますよね。
天井高の誤差は何センチ(何ミリ)までとか、床の傾きは何ミリまでとかきちんと規定されている契約約款をあまり見かけたことがありません。
プレハブメーカーの工事約款には出ているのでしょうか?
工事約款には、瑕疵とひとくくりににされて、規定値が出てることはまれのようです。
先ほどの「天井高の誤差ってどのくらいまでなのでしょうか?」
「床の傾きで大丈夫なのはどのくらいまでなのでしょうか?」と契約前に笑顔でさりげなく聞いてみるのもよいですね。
返答する営業マン、設計、現場監督、社長の答えが一応の規定値になりますよね。
実際にこんなことで裁判をしている人もいるわけですから。
いくら職人さんが造る手作りのものといわれてもそのへんの基準値みたいなものを明確にしてもらいたいのがユーザーの立場ですよね。
基準値が明確でないから、現場監督も数値でチェックしていない。このへんは問題です。
さて、まえふりが随分長くなってしまいました。
家は、職人が造る「手作り」の部分が多いという認識を持って頂いて、ただあんまり曖昧だと、何が手抜きで、何か手抜きで無いのかわからなくなってしまうので、ある程度、自分が気になる部分については、基準値を話してもらいましょう。
できるだけ書面にしてもらうのがよいです。
いい営業マン(いい工務店の社長、不動産屋の社長)を見つけて十分な打合せをします。
土地の売買からのときは、重要事項の説明をよく聞き、疑問に思ったことは何でも質問しましょう。
重要事項の説明は本当に最低限のことですからしっかり理解してください。
そして土地の売買契約書。
価格、支払条件、ローンの特約、その他の特約事項をしっかり押さえ、細かいと思うかもしれませんが、約款もきちんと読んで説明を聞いてください。
違約の場合の損害賠償についてや、税金の精算、登記料についてご理解頂けましたか?
土地と建物の売買については、完成物件か未完成かで注意事項も変わってきますね。
建物の売買、請負契約の場合は、建物の見積、設計図面、仕様書は十分確認してください。
よく分らないと思わないで下さい。
これから何十年と生活して行く家ですから。
不安や不信に思う点はは直してもらってから契約をするようにしてください。
建物の契約書があまり簡単にできているのも問題です。
先程の基準値の件、危険負担の件、違約の損害賠償の件、特に損害賠償の件でも遅延損害金はよく問題になります。
契約は、自分が納得できるまでは、判を押さないことです。
営業は、月末近くになると「今月中に契約してくだされば、これとこれをサービスします。」と契約を迫ってきます。
それはそれでお得なこともあるわけですが、内容が詰まっていなければ駄目です。
次の月の月末まで延ばしたほうがよいでしょう。
土地の契約はどうしても短期決戦でないと、無くなってしまいますので集中的に色々なことを検討して決めなければなりません。
しかし、これから造る建物は、そんな簡単に結論出せませんよね。
無いものをイメージして決めてゆくわけですから。
第二章でも申し上げましたが、基本工事の内容、設備、仕様は会社毎に違うわけですし、別途工事の内容も異なります。
そこのところをしっかり見分けませんとトラブルの原因となり、あとで「営業マンが言った。」「言わない。」の話になり泣きをみたり、そのしわ寄せが下請け業者のところに行きます。
下請け業者にしわ寄せが行けば、よほど現場管理が行き届いていない限り、現場がズサンな状態となり、見えないところで手を抜かれ、それこそ「欠陥住宅」に足を踏み入れることになります。
うんと甘い話にはリスクが伴うことを認識すること。
営業マンの口約束は一筆とること。
設計や現場監理者との打合せも書面を取り交わすことをお勧めします。
締切りを前にした「取り敢えず契約」は避けること。
「取り敢えず契約」であっても、契約は契約ですから責任と義務が発生します。
解約は簡単にはできません。
「取り敢えず契約」ならばいつでも解約できる旨の覚書をとっておかなければ、解約するのにまた多大な労力を使うことになります。
お問い合わせは・・・ こもだ建物
TEL 048-825-6555 FAX 048-825-6565